【後編】
きりたんぽに入れる根っこ付きのセリ。ホクホクして美味しい
神秘的な雰囲気漂う「銚子の滝」を背景にたたずむ、自然に囲まれた旅館「湯元 和みの湯(なごみのゆ)」。源泉かけ流しの塩化物泉の温泉があり、日帰り入浴も可能です。
この旅館のオーナー、塚本開さん、陽子さん夫妻に、旅館を始めた経緯や旅館・温泉の特徴、日常についてお話を伺いました。
(前編よりつづく)
日本ミツバチを飼うのが面白い。
二ツ井の知り合いが養蜂をやっていて、一昨年に分蜂してくれたんです。初心者で要領を得なかったので、去年はできなかったんだけれど、今年の春になんかおかしいなと思ったら、ハチが入ってくれた。1週間もしないうちにハチでいっぱいになって。全部で9群。ここと他とは採れる蜜が違うんですよ。場所によって花が違うから採れる蜜も違ってくるし、西洋ミツバチの蜜とはまた違う。面白いですよ。
ハチにはいろんな仕事があって、スズメバチがやって来ると守るハチ、蜜を体に蓄えて運んでくるハチ、花粉を運んで幼虫に食べさせるハチとさまざま。自然にほうっておけば、ハチは一生懸命頑張って働いてくれるんですよね。採れたはちみつは、私も毎日美味しく頂いています。パンにつけたり、コーヒーに入れたりね。ここでも販売しています。
もっと養蜂をやる人が出てきて、白神山地の麓・藤里町の日本ミツバチのはちみつとして土産にしたいですね。先日も東京から来た方々がなめたら、「すごい濃厚!」と驚いていて、「こういうのは東京で売っていないです」と言われましたね。今は9群あるから、来年どのくらいのはちみつが採れるのか今から楽しみです。
庭で走り回るアイガモ。その姿を目で追うだけで癒される
改めて思う、故郷のこと。
生まれも育ちも藤琴。今は山へは山菜採りに行くくらいだけれど、山登りに息子とこれから行くかもしれなあ。銀細工(晩秋になって山の木々が生い茂っていた葉を落とし、銀細工のように見えること)も好きですね。妻は、大野岱(町営放牧場があり、サフォーク羊が飼育されている)のことを、藤里町の北海道だって言っているね(笑)。
動物が好きなのは、小さいころからかなあ。小さい時にヤギがいて、牛乳の代わりにミルクを飲みましたね。今は犬も鳥も飼っていて、比内鶏や比内地鶏もいます。朝3時半か4時ごろに、鶏が鳴くと、泊まっているお客さんは懐かしいなあ、いい声だなって言ってくれますね。都会に暮らしていても、元々は地方の出身だったりするんでしょうね。
旅館業をしていて、いろんな人との出会いがあって話をするが楽しいですね。「また来る」と言ってくれるととてもありがたい。消防署にいた時、経営者の方々と話をする機会があったけれど、堅苦しいのを脱ぎ捨ててリラックスしてゆったり話をすれば、別の気持ちになるのになあと思ったことはありましたね。話をするのは昔から好きですね。母親に似たのかもしれません。
(施設編へ続く)
*旅する藤里「和みの湯」 施設編
https://www.town.fujisato.akita.jp/kanko/notices/1785
*旅する藤里 まとめページへ
https://www.town.fujisato.akita.jp/kanko/notices/2496
ライター : 久保田真理(くぼた・まり)
ライフスタイル誌の編集者、オーストラリアでの写真留学を経て、フリーランスとして独立。国内外の取材を通じて、多様な生活や文化の魅力を発信する。秋田市生まれ、茨城・千葉育ち。趣味は、日本酒、トレイルランニング、ソウルミュージックの世界に浸ること。
知られざる藤里の旅は、“大切なものは何か”気付かせてくれるはずです。
このコラムは聞き書きの手法で藤里町ツーリズム協議会が制作しお届けしています。
藤里町ツーリズム協議会 電話0185-79-2115
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