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【特集】旅する藤里 「農家民宿 陶」後編

【後編】


「農家民宿 陶」の玄関。掃除が行き届いた気持ちよい空間。あまりにも広くて驚いてしまう。

 藤里町の粕毛地区には、民泊できる住宅が6軒あります。第一弾で紹介した「農家民宿 桂」に続き、今回は「農家民宿 陶」。家主の佐々木喜恵子さんは、大の山好き。かつて藤里町の人々の胃袋を満たしていた「かもや食堂」に勤めていた経験もあり、大の料理好きです。

 民泊を始めたきっかけや思い(前編)に続き、料理のこと、粕毛地区での活動、民泊の思い出などについて伺いました。



まかないを作った時に気に入ったレシピを書き留めているノート。喜恵子さんは勉強熱心。


かもや食堂で培った料理への好奇心



 料理は好きで、日々研究を重ねています。子どもがまだ小さい時、熱を出したりして遠くには行けないから、かもや食堂で働いていたの。40歳くらいまで、10年以上働いていていたかな。元々は食べられればいい方で、料理はそんなに好きでなかったの。でも、見ているうちに徐々に覚えるようになった。

 火力が違うので家庭で中華を作ることはできないけれど、今でも冷やし中華タレを作って、娘にあげたりしています。それが普通でやっているからこだわっているつもりはないけれど、買ったものにはないタレだから譲って欲しいと言われて、毎年送っている友だちもいますね。友だちからなんぼと言われても、友だちだからいくらかかったとは言えなくて(笑)。

 ベースは、しょうゆ、鰹節、酢、ごま油などなど。自分で分からなければ、同じ食堂にいた人と、こうであったよなああであったよなとしゃべって思い出していますね。おいしいと言われて、工夫を重ねました。

 娘が高校生になったとき、二ツ井にあるクルマの電気関係の仕事に就きました。企業誘致入ってきたばかりの会社だったから、よその地区からも来て、みんな1年生で楽しかったなあ。定年まで20年くらい勤めました。



孫が大館市で陶芸を習ったのをきっかけに、器にも興味を持ち始めたそう。オシャレな湯飲み。


 それから、平成25年にお父さんが亡くなって、家にいてもだめだからと声をかけてくれて今の仕事を始めました。ちょうど5年くらい前ですね。福祉施設でまかないを作るのと、帳簿をつける仕事です。朝と晩、8人分の食事を作っているのだけれど、それもまたすごく面白いの。

 30代から60代まで8人が暮らしているんだけれど、障害のある人と接したことがなかったから、分からないからまずは行ってみるかと思って行ったら、本当に楽しくてね。幼稚な人もいるし、怒りっぽい人もいるし、何回話しても分からない人もいるんだけれど、本心が素直でそのまましゃべる。遠慮がないの。

 まかないの仕事は二人で担当して、交代しながら献立を決めています。献立の当番でない時は補助にまわって、盛り付けもするの。入居者から、夜は麺が食べたいなあと言われると、いいよいいよ~という感じで、柔軟に決めていますね。

 献立を決めるのはそんなに大変なことではないよ。主菜が決まれば、あとは副菜2品だけ。昨日は肉だから今日は魚ねって具合に決めていますね。家に帰ってくれば、作ったものをメモしていいます。前の焼きそばの時、春巻きとかシュウマイとか出した付け合わせをすぐに思い出せるしね。

 特別これはよかったなあ、また食べたいと言われたメニューは丁寧にメモして、何かの時に出すようにしています。最近では、十五夜のおはぎが好評だったし、もう一人が作った豚のしゃぶしゃぶも良かったですね。豚しゃぶの時は鍋を囲むから、家庭的な雰囲気で喜ばれますね。それぞれ食べるペースが違うので、ちょうどよくなるように配分したりも。

 冬になると朝出かけるの寒いから、辞めようかなとも思うんだけれど、春なるとまだ頑張れるなと自分に言い聞かせて続けています。朝6時に家を出て、一度8時に戻り、再び2時半ごろ買い物に出てから3時半にはホームに着き、6時半までそこにいて、家に帰ってくるような生活です。




「ちゃーんと朝ごはんを食べて元気に一日過ごしてほしい」と気持ちを込めて、台所で朝食を用意。


活動を始めて、あいさつ以上の関係へ


 私の暮らす粕毛地区では、農家レストランをやったり、ブラックベリーを無農薬で栽培して、それをピューレにして売ったりしているの。この前は、小坂町のお母さんたちが12、13人来て、ランチを出したのね。向かいの京子さん(農家民宿「桂」を夫婦で営む)と二人で準備したの。ミョウガのしその葉漬けをシーチキンで和えて出したら、ただそれだけなのに最高に喜ばれて、うちでも真似してみるって言われてうれしかったですね。

 テレビ番組を見て、簡単であまりお金もかからないようなメニューはすぐにメモしていますね。以前は本をとったりして見ていたけれど最近は飽きてきたので、病院に行った時、待ち合わせ室に置いてある本で気になったものをメモしています。

 去年1度か2度、手作りのブラックベリーのピューレや、アユ、ミズのおしんこなどを神奈川・藤沢に一緒に活動をしているメンバーと売りに行ったの。ショウガが入ったミズのおしんこは、バリバリと食べられるので人気がありました。あとは、赤寿司。しそで漬けたご飯で、秋田北部のものなんだけれど、買ったお客さんから近所の人を呼んで食べましたと後でメールがきたくらいおいしかったみたい。

 粕毛に住んで40年。婦人会や若妻会はあったけれど、そんなに活動はしてはいませんでした。3年くらい前からいろいろと活動するようになって、顔だけ分かっているあいさつだけの関係から変わりましたね。料理を作るってなれば数時間一緒にいて、無駄話から家族、友だちのこと、地域の話題が出てくるようになる。知っているようで知らなかったこともあるし、友だちの大切さも分かるようになりました。

 みんなに面倒みてもらっているから、ありがたいなと思います。みんなで作業するのも楽しいしね。自分の庭では、少し野菜を植えているだけですが、いっぱい植えている人がダイコンやサトイモを置いていってくれたりするの。だから、きのこを採ったらお礼しますね。そういう心が本当にうれしいです。



とにかく山が大好き。富士山に登ることが夢で、登った人が記念に持っている杖を見ただけでうらやましくなるそう。


民泊した人たちとの楽しい思い出


 民泊にはいろいろな人が来ますね。5人まで泊まれます。初夏に開催する「ブナの森マラソン」に参加するのに埼玉から来た中年3人組、面白かったな〜。山のものを天ぷらにして出したら、おいしいおいしいと言って喜んでくれました。

 一人、都会から出たことがない人がいて、軒先に種を採ろうと思って菜種の花をつるしていたら、「昨日食べたのこれですか?」と聞いてきて、みんなに「違うよ〜」って大笑いされていました。その人、子どものころにみんな田舎があってうらやましいと思っていたと話してくれて。60歳を過ぎてもそう思っているんですね。

 その人は、こうやってマラソンに誘われて出てきたら何もかも新鮮で、それをまたみんなに笑われてね。近くでホタルが出ていたのに感激していて、朝早起きしてそこに行ってみて、ただのああいう田んぼに出るんだねと言って驚いていましたよ。

 近くにあまりにもぬかって米を作っていない田んぼがあるんだけれど、そういうところを利用して運動会とかしたら面白いなと思って。逆に利用すればいいんだなあと。上がって水シャワーかければいいし。そういう普通のことを面白がってくれる人がいると思いますよ。

 あとね、地元の小学生が毎年夏と冬に泊まりに来るの。去年は男の子、今年は女の子だったな。夜になってもお父さん(だんなさん)が帰ってこないことに気が付いたんだよね。それで、彼氏募集中だよって言ったら、彼氏の作り方を教えてくれた(笑)。その時一緒に泊まった大学生は山形から来た子で彼氏がいないと言うので、じゃあ二人で彼氏の作り方を教わろうと。

 私はいとく(藤里町のスーパー)と山しか行かないから、彼氏を作る機会もないんだよなと言ったら、「いとくでいいんだよ」と。いとくに行って、買い物いっぱいしてきて、そっちからいい男が来たら、そこで転ぶんだって(笑)。そうしたら、「どうしたの?」って相手が助けてくれるって。おかーしくておかしくて。町内でも全然知らない子だったけれど、1時間もいれば仲良くなっちゃうのよね。ああいう純粋な子どもたちは面白いの。

 いろいろな人がここに来ます。ここに来れば、話が広がることはないでしょ。身近な人には話しにくいことを言う人もいるの。家族の悩み事とか。でも、話すことで楽になるから、お互いにとっていいなあと思いますね。






     ライター : 久保田真理(くぼた・まり)
  
   ライフスタイル誌の編集者、オーストラリアでの写真留学を経て、フリーランスとして独立。国内外の取材を通じて、多様な生活や文化の魅力を発信する。秋田市生まれ、茨城・千葉育ち。趣味は、日本酒、トレイルランニング、ソウルミュージックの世界に浸ること。

 


知られざる藤里の旅は、“大切なものは何か”気付かせてくれるはずです。

このコラムは聞き書きの手法で藤里町ツーリズム協議会が制作しお届けしています。

藤里町ツーリズム協議会 電話0185-79-2115


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    登山にスキー、白神山地の散策など
    ほかでは味わえない大自然の遊びがいっぱい!

    楽しい自然体験・観光施設
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    藤里の澄んだ空と水は感動の美しさ。
    露天風呂や地元の料理を楽しめます。

    風情たっぷり町の御宿
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    大量にはない、手ざわり感ある品々。
    豊かな水が生み出す自然の美味しさです。

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