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【特集】旅する藤里 「白神ぶなっこ教室」ぶなっこ教室編

【白神ぶなっこ教室】


廃校になった旧坊中小学校の校舎を買い取り、学校の雰囲気を残した宿泊施設に改装。


 体験教室や棚田を守る活動を行っている「白神ぶなっこ教室」。旧坊中小学校の校舎に宿泊し、地元の食材を使った郷土料理を食べながら藤里の暮らしを体験できるツアーを通じて、藤里の自然の素晴らしさ、ここで生きる人々の強さを伝え続けています。これを主催する佐尾和子さんは、東京都世田谷区出身。ブナの木へのあこがれから藤里町を知り、関わり始めて30年になりました。

佐尾さんのぶなっこ教室の活動の様子や、藤里への思いについて伺いました。



横倉地区にある棚田。田植えに向けて、代掻きを終えた田んぼが点在している。

棚田オーナーのツアーを年3回実施

 自然体験ができるツアーを実施しています。今年度で8年目となる棚田オーナーツアーを年3回実施するほか、町から委託を受けて移住体験ツアーを実施したり、春・夏・秋の学校を開いたり、団体や友人からの依頼でオーダーメイドのプログラムを組むことも。埼玉の獨協大学の学生たちが数年前からゼミ合宿に来たり、ツアーを始めた14年前は海外から学生が参加していたこともありました。あと植林などの林業体験をしている団体が2005年から毎年来ていますね。

 棚田がある横倉地区は、昨年度には秋田の守りたい里地里山50選に選ばれるほど美しい場所で、この風景を守るために棚田オーナーやサポーターを募って活動しています。毎年20人くらいが参加し、家族での参加もあれば、企業で参加している人もいますね。また、秋田県立大学の学生たちが7月と9月に草刈りに来てくれます。

 このサポート活動では、5月末か6月上旬に春の棚田ツアー、8月ごろに夏の棚田ツアー、10月ごろに秋の棚田ツアーを開催。春の棚田ツアーでは午前中に田植えをして、午後には近くの水無沼の散策や、(白神山地・駒ヶ岳に行く途中にある)岳岱自然観察教育林の散策に行きます。

 夏の棚田ツアーは、夏の学校と同時開催で、子どもたちが多く集まります。午前中に大人は草刈り、子どもは虫捕りをして、午後には必ず川遊びをしますね。ぶなっこ教室の拠点から少し上流に行った、スキー場の下あたりの藤琴川で遊ぶことが多いかな。また、オプションになりますが、ツアー前日の晩にナイトハイクも体験できます。星と蛍がとてもきれいですよ。ぶらぶらとするだけでも横倉は気持ちいいところなんですよ。


 
横倉の棚田での稲刈りの様子。手で刈り、天日干しをする。時間をかけ、滋味深い米になる。 


 秋の棚田ツアーでは稲刈りがメインで、午後には周辺を散策したり、みそづくりをしたり。参加者は子どものほかに、30・40代、60代と幅広い年齢の方々が参加し、県内の場合は秋田市から、県外は宮城や関東から来るリピーターが多いですね。企業の場合、藤里に研究所がある化粧品メーカーのアルビオンの新入社員の方が新人研修として参加してくれました。

 農業体験をしたことがない、田植え・稲刈りしたい人が参加してくれます。子ども連れの家族の場合、自分たちが食べている米はどうやってできているのか知りたい、子どもに教えたいという気持ちで参加するようです。稲刈りをした後は、天日干しをします。裏表ひっくり返す作業は、市川博之さん(元々横倉の棚田を守り続けていた農家で2017年に亡くなる)の息子さんの昭生さんが引き継いでくれました。稲を刈って、束ねるのが難しいんですよ。

 昨年は田んぼがクマに踏み荒らされて傷み、大変でした。クマが食べたりして、収穫量が少し減ってしまったけれど無事に収穫できました。ツアーでクマにやられた田んぼの見学にも行きましたね。動物の痕跡をこんなに間近で見ることは、都会ではあり得ないことです。ここではウサギもサルも見かけますし、見たことはないけれど藤里にある家の庭にはキツネの足跡が残されていたり、ホタルが家の中に入ってきて光っていたこともありました。



藤里のみそづくり名人による教室に子どもたちが参加。大豆と麹を混ぜて、ミンチにする機械にかける。手を動かすのは楽しい時間。


桃源郷のようなこの風景を守りたい


 
藤里で平成7年(1995年)に家を建てようとした時、目の前に広がる棚田を含めたこの風景が決め手になりました。この土地の紹介を受けた年の4月、ポカポカと春霞がかかるような眠くなる日、近くのワサビ棚の近くで山の方を向いて座っていたらスモモが白い花を咲かせていて、桃源郷みたいと思ったんですね。

 私は東京・世田谷の生まれ育ちですが、田んぼがあったり牛がいたり道路も舗装されていなかった時期があり、その後急速に都市化していってしまったけれども、その時の風景が頭に残っていました。小川も流れていて、笹舟を作って橋から流した思い出もあります。この日本の原風景に懐かしさとあこがれがあって、ここで田んぼを作らなくなったら原野になってしまうと心配していたところで、この棚田を守る活動をやらないかと県から声をかけてもらいました。


 町から委託され、子育て世代対象の移住ツアー「藤里お試し暮らしツアー」を2年前から実施しています。今年2月、雪のすごい時期にツアーを行って、東京から3歳の男女の双子と小学校3年生の子どもがいる家族、神奈川から4歳と小学校1年生の子どもがいる家族の2組が参加してくれました。朝から夕方になって寒くなるまで、子どもはソリをしたり、雪だるまを作ったり、さらには雪だるまを使っておままごとをしたりとずっと遊んでいましたね。

 移住お試し住宅の玄関を出たところで、小学校1年生の子がほぼ一人でかまくらを作り、最後にろうそくを立ててとてもきれいでした。あとは、スキー場でソリをしたり、みそづくり・きりたんぽづくり体験をしたり、また大野岱放牧場では羊を見せてもらいました。学校の見学に行ったら、また門の前でソリ遊びを始めてね。ちょうど宿泊した粕毛地区で雪まつりをやっていて、スノーモービルに乗せてもらったり、交流センターで山大鼓の演奏もあって楽しめました。


 獨協大学からは政治経済専攻で、地域について学ぶ学生さんたちが来ます。登山のほか、ボランティアの希望もあって岳岱自然教育林でウッドチップまきも。一度に20人くらい、2回来ます。ぶなっこ教室の拠点がある中通地区の方や元坊中小学校の卒業生が、地域の美味しい食材を使って郷土料理を作ってくれます。あとは、中通地区の住人の方に料理を作って持ってきていただいたり、お弁当をだまっこ屋さんに頼んだりすることもあります。

 きりたんぽづくりを必ず体験してもらいますね。食事には、山菜やきのこ料理 アユ、イワナ、地元の野菜を使った酢の物、野菜の天ぷら、ジュンサイ、白神酵母のパンを出すこともありますね。学生たちも美味しいと喜んで食べますし、もっと小さい子どもにも同じようなものを出していますが、ちゃんと食べていますね。私自身は、きりたんぽ、ゼンマイ、フキの煮付けが好きです。

 


食べている米がどうやってできているのか、子どもに知って欲しいという親の願いから、棚田ツアーにはたくさんの子どもたちが参加している。


自然を受け入れて行動する力を育む


 
個人のオーダーメイドプログラムも受け付けています。最初は対象に子どもを想定していたのですが、実際には大人が多いですね。子どもが来られるのは夏休みくらいで、来る日が限定されてしまうんですね。大人の場合は、リピーターが多く、高齢化していることもあって登山は厳しくなり、最近は散策が多く、岳岱自然観察教育林、水無沼などに行ったりしていますね。


 お天気によっては、帰る日時を早めないといけない時もあり、ここでは予定通りにいかないのが当たり前と思わないと。夏の学校の時、前日からの大雨で藤琴川が橋の下まで増水して、雨が止んでも遊びができないことがありました。急遽、隣の能代市のプラネタリウムに行ったり、運営スタッフが工務店を営んでいるので板材を用意してもらって絵を描いたり、5ミリのスライスした枝を貼り付けたりして作品づくりをしたことも。

 目の前の自然を受け止めて次の行動を考え、これならあの人に聞けばいい、パッと車を走らせたらいいって、臨機応変に動けるのが藤里の強みです。机の上の勉強だけではいけなくて、工夫することも大事。子どもがこんなふうに生きていける力をつけることが大切だと思っています。でも、子どもは遊びの天才なんですよ。何かなくても遊べてしまう。都会にいたらなかなか機会に恵まれないだけで、都会の子もここに来て何をしていいか分からなくて困ることはないです。必ず何か見つけて遊びます。本来は子どもに備わっているものだと思います。

 


 

     ライター : 久保田真理(くぼた・まり)
  
   ライフスタイル誌の編集者、オーストラリアでの写真留学を経て、フリーランスとして独立。国内外の取材を通じて、多様な生活や文化の魅力を発信する。秋田市生まれ、茨城・千葉育ち。趣味は、日本酒、トレイルランニング、ソウルミュージックの世界に浸ること。


知られざる藤里の旅は、“大切なものは何か”気付かせてくれるはずです。

このコラムは聞き書きの手法で藤里町ツーリズム協議会が制作しお届けしています。

藤里町ツーリズム協議会 電話0185-79-2115


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    登山にスキー、白神山地の散策など
    ほかでは味わえない大自然の遊びがいっぱい!

    楽しい自然体験・観光施設
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    藤里の澄んだ空と水は感動の美しさ。
    露天風呂や地元の料理を楽しめます。

    風情たっぷり町の御宿
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    大量にはない、手ざわり感ある品々。
    豊かな水が生み出す自然の美味しさです。

    白神の恵みがぎっしり特産品