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【特集】旅する藤里 民泊「のっこの家」前編

【前編】








自宅の門にあるフクロウの置き物。孝雄さんが趣味として集めている。






 藤里町の粕毛地区では、2年前より農家民宿を開始。現在は6軒で藤里の暮らしを体験できます。そのうちの1軒「のっこの家」は、鈴木ノリ子さん、孝雄さんの仲良し夫妻が、もてなす民宿です。

 ノリ子さん、孝雄さんに、民泊の様子や、自然を愛する暮らしについて伺いました。










孝雄さんとノリ子さん。一緒にいて和やかな気持ちが伝わってくる、仲良し夫婦。







もう少し若かったらなあと思ったけれど、とんとんとのせられて。



 ノリ子さん:物心ついた頃から、自分のことを「のっこ」と言っていて、簡単で覚えやすいので、「のっこの家」と名付けました。今でも実家で、「のっこ」と呼ばれているんですよ。実家はここから5分くらい行ったところにある、長瀞(ながどろ)という場所にあります。

 孝雄さん:私はこの家で育ちました。この家は築75年。2人とも71歳です。

 ノリ子さん:粕毛地区で民泊が始まるタイミングで、ここも始めました。研修で岩手の遠野に行って、帰りのバスのなかで民泊を始められるかどうか聞かれたんですが、もう少し若ければできるんじゃいかなと正直思ったんですね。当時69歳手前で、自信がないとアンケートに書きました。でも、とんとんとのせられて(笑)。仲間もいるのでやってみようかなという気になりました。

 最初に泊めたのは、秋田市の大学生。今はそういうことはないけれど、初めは緊張しましたね。今はすごく楽しいです。毎日お父さんと二人だけで、たまに娘や孫が来ても泊まらずに帰ってしまうでしょう。民泊の時は、ご飯食べて、話しをして、若い人の話を聞いて。私おしゃべりだから、余計なことまで話してしまうのね(笑)。

 この前は、小学生2人、大学生1人が泊まってね。5人でテーブルを囲んで、みんなで作ったご飯を食べる。子どもの声っていいなと思う。パワーをもらいますね。民泊は月に1度あるかないかくらいなので、まずやっていけるかなあと思ってやっています。






一緒に作ったご飯をおしゃべりしながら食べる。子どももすぐに打ち解けていた。







子どもたちと夜はトランプを。子どもの声を聞くだけでもいいなあ。



 みんなそれでいいと言うので、家にあるものを利用して料理をして出していますね。魚や肉は買ってきますが、畑づくりが好きだから、畑で採れたものを使います。レストランで食べるような立派なものは作れないけれど、ワラビなど山のものを出すと、おいしいと食べてくれるから、もう少しの間はこれでやってみようかなと思っています。

 今年泊まった、藤里の小学生の女の子2人、大学生1人と、きりたんぽづくりをしました。子どもはすぐにやり方を覚えて、喜んでやりますよ。大学生はサークル活動でうちに3回も泊まっていて、昨年12月も来てくれました。年齢もうちの孫と同じくらいだから孫のような感じがして、何でも食べさせたいと思いますね。

 小学生は同じ町内でも知らない子どもだけれど、今の子どもは遠慮なく、活発に話ししてくれます。私は折り紙とかものづくりはできないから、孫も大きくなってしばらくやっていなかったトランプをして遊びました。楽しかったなあ。

 神経衰弱とか、ババ抜き、ページワンも。子どもが先になってやってくれました。まさか、お父さんと2人でトランプやるわけにもいかないから、久しぶりで楽しかったですよ(笑)。この辺りはじいさん、ばあさんばかりで子どもがいないし、みんな車で移動して子どもを普段見ることがないから、子どもの声を聞くだけでもいいなあと思いますね。










2階にから見える風景。消防署や小学校、藤琴川に架かる橋が。







嫁いできてから始めたきりたんぽづくり。大きなすり鉢とすりこぎを使って。



 きりたんぽを作る時、ヤマイモをする時に、このすり鉢をすりこぎを使っています。今から20、30年前になるかな。友人の旦那さんに山椒の木で作ってもらったの。途中木の皮が残っているので滑らなくていいですよ。一生ものと思って大事にしています。

 ヤマイモを植えているので、とろろご飯にしたり、お吸いものに放したりして食べています。ツルツルしておいしいですね。粕毛地区のセンター(公民館)でたんぽを作る時は、餅つき機を使います。家でやる時は、好みでご飯を半殺しの状態にしますが、あんまり柔らかいと鍋に入れた時にボロボロしてしまうから加減が大事ですね。

 たんぽは、ここに嫁いでからですが、昔から作っていますね。実家にいる時は、だまっこを作っていました。民泊をするようになってからは本当によくやるようになったし、いつもは正月用に作って冷凍しています。そうすればいつでも食べられるから。

 孝雄さん:畑をやるのはお母さんだけ。ここの上の方と田んぼの近くに、畑があります。なんでも作っている。上の方は土がいいから大根が立派に育つよ。下の方で作ればサルが来る。群れで来るんだよ。

 ノリ子さん:毎年10月に行われる町民祭で、私が作った大根が最優秀賞に選ばれて、このお盆をもらったの。ここの舅ばあさん(おばあさん)が畑をやれなくなってから、20年くらい前から始めました。私は営林署でスギの苗を作ったりしていたんだけれど、みんな野菜の話をするのでそれを聞いて、昼休みに本を読んで、始めましたね。










都会に住む者には考えられない広さの玄関。そこに大きな時計が置かれていた。







野菜に話しかけながら、畑作り。何とも言えない楽しさがあります。



 ノリ子さん:種をまけば芽が出るでしょう、だから楽しくてね。野菜に話しかけるの。虫に食われないように大きくなってねとか。昨年は体がついていけなくなってお休みしていたんだけれど、秋ぐらいから作れるように。何もまかない畑が気の毒に思えたの。種から育てるから段々と大きくなって、ダイコンもハクサイも立派に育つよ。途中で網をかけてあげたり、何とも言えない楽しさがあるんだよね。

 家で食べるにも限度があるから、よそにあげるよ。人にあげるのも楽しいの。この辺りで畑をやっていない人とか、作ってもよくできなくなった人にも。娘も持っていくし、親戚にもあげますね。ハクサイの種一袋で100個もできるの。途中間引きしたものをまた別のところに植えて、それも大きくなるから。秋になると頭をわらでギュッとしぼるってあげるの。

 うちの前にも畑を作ってね。ハクサイ、キャベツ、ジャガイモ、エンドウ豆、ナス、キュウリ、オクラ、モロヘイヤ、ブロッコリー、カリフラワーを植えました。ホウレンソウとか青いものは買わないといけないけれど、オクラとかモロヘイヤとかは冷凍もできるし、冬はハクサイとかキャベツを庭のかまくらに入れて保存してあるよ。

 ナガイモは掘るのが大変だけれど。土をトラクターで耕すとか機械を入れるときはお父さんが手伝ってくれるけれど、あとはあ黒いマルチをかけてしまえば、いつ植えても大丈夫。楽しいよ、少し頑張れば。身体を動かすのは好きですね。










野菜づくりが趣味のノリ子さんは、自家製の野菜でもてなす。ゴボウとニンジンの和えもの。







芽が出てくると毎日見たくなる。孫が好きなプリンスメロンも。


 ノリ子さん:芽が出てくると毎日見たくなるの。話しかけないといけないしね。 かぼちゃでもどのくらい大きくなったかなと気になります。去年はスイカ、メロンはやめたけれど、孫がプリンスメロン好きだから、今年は作ろうかな。 中がオレンジ色ですごく甘いのに、今あまり売っていないでしょう。カラスから守るために網をかける必要があるけれど、実は作りやすいの。何個もできるよ。

 最近は、アスパラとかチンゲンサイも少し植えているかな。でも、食べ慣れたものが中心。上の方の畑にはクリの木がいっぱいあるので、クマも来るの。いつきてもいいから、私がいない時に来てねと言っている(笑)。いいクリばかりむいて食べているよ。










ふじこま大学で習った切り絵の作品。畑仕事のない冬、時間ができると手を動かす。





(後編へ続く)

*旅する藤里「民泊 のっこの家」 後編
https://www.town.fujisato.akita.jp/kanko/notices/1943





*旅する藤里 まとめページへ
https://www.town.fujisato.akita.jp/kanko/notices/2496













     ライター : 久保田真理(くぼた・まり)
  
   ライフスタイル誌の編集者、オーストラリアでの写真留学を経て、フリーランスとして独立。国内外の取材を通じて、多様な生活や文化の魅力を発信する。秋田市生まれ、茨城・千葉育ち。趣味は、日本酒、トレイルランニング、ソウルミュージックの世界に浸ること。

 


知られざる藤里の旅は、“大切なものは何か”気付かせてくれるはずです。

このコラムは聞き書きの手法で藤里町ツーリズム協議会が制作しお届けしています。

藤里町ツーリズム協議会 電話0185-79-2115


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    ほかでは味わえない大自然の遊びがいっぱい!

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    藤里の澄んだ空と水は感動の美しさ。
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