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【特集】旅する藤里 「ごん太」前編

【前編】












 藤里町の中心部、藤琴地区にあるパーティー居酒屋『ごん太』。隣にカラオケの『GⅡ』もあることから、居酒屋で食事もお酒も楽しんでから、自慢の歌声を披露し、また居酒屋に戻って〆のラーメンを食べるのが、藤里町民の定番コースになっています。

 オーナーの新岡雅弘さんに、東京の飲食店で働いていた時のことなどについて伺いました。







お客さんの要望に答えているうちに増えたメニューの数々。これ以外もある。







ボーイさんに憧れていたのが原点


 藤里の粕毛出身で、17歳の時の5月に校長から高校をやめてくれと言われて、ダメな学生だったんだね。やめたら働くしかないし、働くなら飲食業をと思って東京に行きました。上京前に親と一緒にハローワークに行って、住み込みの仕事を探していたら、麻布十番にあるトンカツ屋が目に入って。

 お店からは、「とりあえず1週間分の服を持ってきてくれ。だめだったら考えるから」と言われて。当時景気が良くなくて、手伝いにきてくれという感覚だったと思う。マスター、奥さん、妹さんに従業員は3人で、合計6人で働いていたね。

 そのトンカツ屋は『ポークキッチンQ』という店名で、マスターが15歳上だった。本人が30歳ぐらいからスタートした店で、『豆源』(麻布十番にある有名な菓子店)の斜向かいのおもちゃ屋の隣の2階にあった。満席で入っても20席くらい。

 トンカツのメニューが多いけれど、ハンバーグ、カレー、カツカレー、フライが付いた定食があったりする店で。弁当もやっていて、近所への配達をしていました。料理はさせてもらえなくて、ホール、皿洗いからスタートしたよ。当時は、飲食だったらなんでもよかった。ソバ屋の話もあったけれど条件が良くなかったから、そこにはいかなかったんだよね。

 中学の文集に書いてあるけれど、ボーイさんに憧れを持っていて、それが原点だったと思う。家の仕事が忙しくて母にあまり料理を作ってもらえなくて、中学生の時に自分が料理をすることも。卵焼き、野菜炒め、ラーメンとかね。お腹が空いたら、自分の分を作っていたよ。








麻布で修行したカツを使った自慢のかつ丼。〆に食べる猛者もいる。








1週間って言われていたのに、結局8年働いた


 ある日、メニューが載っているパンフレットをテレビ朝日に持って行ったの。それが大当たりしてお店の景気が良くなって、店で働くのを続けてくれと言われて、それから8年弱働いたよ。最初は、1週間って言われていたのにね。

 テレビ朝日に行ってみたかったのは、芸能人が見たかったから(笑)。何をしたら入れるかを考えて、チラシをまくなら大丈夫かなと思いついて。そしたらプロデューサーがそのチラシを配ってくれて、社内でツテができました。それから、六本木、南麻布にもメニューを配るようになりましたね。

 一番感動したのは、大好きなBOØWY(以下、ボウイ)に会った時。スタジオで練習していたところに弁当を持って行って、メンバーからサインをもらいました。そのとき氷室さんの計らいで、メンバーはそれぞれマイク、ギター、ドラム、ベースの形のサインでレアなものでした。さらに布袋さんからはギターのピックを、氷室さんからはタオルをもらってね。東京にカセットを持っていって聴いていたけれど、まだメジャーになる前でそれほど有名でなかったから、東京でもこれからって頃だったね。

 自分もバンドがやりたくて、東京にギターを持っていったの。仲間を集めようと頑張ったけれど、友だちもいないのですぐに諦めたよ。当時は、ヘビメタ(ヘビーメタル)が流行っていたね。持って行ったのはフォークギターだったけれど(笑)。

 ギターは父親の知り合いからもらって、中学生の時に弾き始めた。エレキギターを買ってもらう夢は叶わなかったけれど。その時からボウイが好きでね。近所に住んでいた兄の友だちのデビッドボーイ好きが教えてくれたんだ。

 ボウイは、秋田によくライブに来ていたみたいだよ。3枚目のアルバムを出したぐらいの時に知った。確か、4枚目ぐらいで当たったと思う。








東京にいた頃は休みがないぐらい働いていても、それから遊びにいく日々だった。






入って半年くらいで料理をするように


 テレ朝でうまくいったことでいきなりチーフになったけれど、先輩2人が面白くなくて辞めていったね。岩手と九州の人だったな。料理も作れないのに入って、チーフになるなんてね。それから半年くらいで、料理もするようになって。

 肉屋で修行したマスターだったから、肉に対する知識は教えてもらったなあ。料理は食材から始まるって、学んだね。あと、ハンバーグは最初から作ってたね。今はできあいのものとかあるけれど、何か特別なカレー粉で作るカレーは美味しかった。マスターしか作れない。二ツ井の食堂のカレーに似ている味だったなあ。

 料理は苦ではなかったよ。むしろ、冬場のバイクでの配達の方が、寒くて大変。車の後ろにまわって、その排気ガスで温まったりしたな。バスの後ろは最高(笑)。指が動かないくらい寒かったから。

 週に2回くらい築地に朝6時に買い出しに行ったよ。マスターが腰を悪くして代わりにね。仕事は朝9時から始まって夜は24時まで。2時間休憩があってね。築地の買い出しの時は、『井上』のラーメンが好きでよく行ったな。「よく来てくれるから兄ちゃん今日はチャーシュー多めに入れるよ」って。あの中華ソバは忘れられないな。

 ある時、テレ朝からロケ現場に届けて欲しいと弁当1000個の注文が入ってね。前日から6人で徹夜して、30個ずつ回転で作って、レンタカー借りて詰め込んで。作業しながら寝落ちしたなあ。ハンバーグは前もって作って冷凍して、湯煎かけてという感じで間に合わせた。とてもしんどかったのを思い出す。

 あと、麻布十番の納涼祭も面白かった。焼き鳥を出すのに、1本ずつ肉を串に刺して焼いたりしてね。宝昌寺の住職をしている同級生に手伝わせたの。未だに言われるよ、あれは騙されたって(笑)。長時間だったから足が腫れていたって。一生言われるんだろうね(笑)。

 






自家製チャーシューとチャーシュー丼。にんにくダレが食欲を一層誘う。






日曜日に店を借りて営業して、経営が分かってきた


 働いていた頃の後半は、マスターが店に来れなくて自分が調理をしていたね。日曜定休だけれど、店を借りて後輩と二人で1年くらい営業したことも。自分が作って後輩が配達して、分け前は5対5で。

 日曜だからそんなに注文があったわけではないけれど。だから、休みがなかったね。店には、売り上げの半分を材料費で渡してね。で、経営も分かってきて、店をやる面白さが分かってしまったよ。

 新宿の都庁近辺にもう1店舗やる話になって、ポークキッチンQを任せるからと言われたけれど、結局それができなかった。それで自分の中でやりたい気持ちが強まったのと、バブルが弾けても売り上げが伸びたのに給料下げられていたので、面白くなくなった。お店に引き止められたけれど、辞めることにした。自分が23歳の時。

 年に2回は休みをもらって、友だちに会いたくて藤里に帰ってきていた。東京にいる時は、休みになると、ディスコにも行ったけれど。18、19歳の時は、地元の同級生だった新川泰道(宝昌寺住職)も一緒にディスコに行ってた。地元の仲間の明はすごく踊りが上手だったよ。俺の次に(笑)。そろそろディスコもねえという気持ちで。一通り遊んだからいいかなって思いはじめて。

 東京から藤里に帰る時は兄が友だちと車で迎えに来てくれて、俺頑張ったなという気持ちになって泣いてしまったなぁ。なんでおめえ泣いてんのやと冷やかされ、笑われたよ。

 最後はQのマスターと辞める、辞めないで、ケンカ別れになってしまって。向こうは会いたくないかもしれないけど、会いたいなあ。自分が店をやってみて、今思い出すと本当に感謝の言葉しかないよ。マスターや久子さん利子さん元気かなあ。
 

 



 

父親に世界一ちっちゃいと言われたが大切な看板





(後編へ続く)

*旅する藤里「ごん太」 後編
https://www.town.fujisato.akita.jp/kanko/notices/2088



















     ライター : 久保田真理(くぼた・まり)
  
   ライフスタイル誌の編集者、オーストラリアでの写真留学を経て、フリーランスとして独立。国内外の取材を通じて、多様な生活や文化の魅力を発信する。秋田市生まれ、茨城・千葉育ち。趣味は、日本酒、トレイルランニング、ソウルミュージックの世界に浸ること。

 


知られざる藤里の旅は、“大切なものは何か”気付かせてくれるはずです。

このコラムは聞き書きの手法で藤里町ツーリズム協議会が制作しお届けしています。

藤里町ツーリズム協議会 電話0185-79-2115


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