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【特集】旅する藤里「細田 志げ子さん」前編

【前編】


 県道317号線で秋田県側から藤里町へ入って2分、産直あさひ会が運営する直売所「白神街道ふじさと」の看板が見えてきます。
 2022年からその直売所の代表を務める会長の細田志げ子さんに藤里町にお嫁さんに来た経緯、栽培する野菜や産直で好評の茄子の浅漬け、忙しい農業の合間の楽しみを伺いました。







 

県外から藤里に嫁ぐ

 昭和29年生まれの68歳
生まれは、福島県、昔は伊達郡だったけれど今は伊達市。3人姉妹の末っ子。高校卒業した後、埼玉に出て、そこで藤里出身の主人と知り合った。きっかけは友達の友達の紹介。6年間埼玉の幸手というところに居たの、東京のベットタウンでね。


 家は、父親が公務員、母親は専業主婦、父親が厳しかったから、とにかく家を出たかった。昼は縫製工場で働きながら、夜間の洋裁学校へ行きますってことでやっと家から出してもらえた。
埼玉では、寮生活。とっても大きな寮で、多い時は100人位、寮長を何年かやったなぁ。


 主人は、能代工業高校を出て、埼玉で木工関係の仕事をしていたんだけれども、農業を継ぐっていうんで帰ることにした。それで、洋裁学校が終わるのを1年待ってもらった後、あたしも藤里に来て、こっちで結婚。
お義父さんとお義母さん、農業は私らの代でやめていいんだからって感じで、そんなにがんばれとは言わなかった。すごくいい人たち。だからあたしみたいなのでも務まったと思っている。


 農業を始めて、最初、主人にお前の好きなものをやれって言われたの。なんでもいいから、好きなものって。花好きなら花やるぞって言われた。それで、トルコ桔梗に決めて、それを一番先に始めたの。今、藤里でリンドウを多く栽培してるでしょ。そんな感じで当時はトルコ桔梗を農協さんでもやったし、藤琴の祭りっていうと、どこの家でもトルコ桔梗を飾ってくれてた。

 田んぼは、しばらくやったけど、機械が壊れて。新しいの買ってまではやれないから、畑1本でやるかってことでそれまでやっていたウドと新しくネギを始めた。でも、ネギが軌道に乗る前に夫が病気になってしまって・・・。肺がん。わかったときはもう遅かった。こんなに早く置いてかれるとは思わなかった。

 8年もなるのかなぁ。泣いてる暇もなかったぐらい、忙しくてね。忙しかったのが、かえって良かったのかもしれない。いなくなったとき、どうしようかと思ったもんね。それこそ、12月24日。年内に片づけなくちゃといわれたし。そんなに急いで葬式しなくてもと思ったけれども、やっぱりね・・・。年越せばだめだってことでバタバタってなんかね、見送ってしまったけれども。忙しいほうがいいんだもんね。気がまぎれるっていうかね・・・。考えないからね・・・。なんとか、かんとかやってきた。
夫が亡くなって、農業はまず一年やってみてダメだったらやめようと思っていたんだけれども、秋田市に住んでる息子が休みの日を利用して、ずっと手伝ってくれるから、なんとかやっている。


 夫が亡くなってお義母さんとの生活は7年間か。お義母さん、元気で畑仕事してたんだけど。転んで手首折って、足が弱ってきて。いま特養にいる。お義母さんは黙って働く人でほんとに優しい。日本のお母さんの典型みたいな感じ。95歳かな。歩けなくなっちゃっただけ、ちゃんとしているからね。ただコロナでほら、面会できないからねー、半年会っていないのか。入所する前は病院へ連れて行ったり、ワクチン接種とか連れてったんだけれども。

 子供は2人。息子と娘。息子は秋田市、娘は神奈川に住んでいるけれども職場は東京。コロナ騒ぎになってから娘は3年帰ってない、息子は土日手伝いに来るっても、1回帰ってまた日曜日に来るぐらい気使ってる。

 息子は夫が亡くなって次の年に結婚したのか。だからもう7年。秋田市に家建てちゃったから・・・。息子は高校も大学も農業関係出たから、ほんとは、後を継ぐつもりだったんじゃないの。だけど、夫が、後なんて継がなくていいから、どっか世界中行って来いって言ったみたいだけれど、そういう根性はなかったみたい、大学の教授の推薦で今の会社に入った。種とか農業関係の資材を扱っている会社。JA白神さんとかとも関係あって、出張とかで能代や藤里町に来たりするし、頼りになる。私が使っている種はほとんど、息子から買っているのよ、おすすめを教えてくれるから。
 

畑仕事

 畑は矢坂に6反歩(60アール)。如来瀬に茄子畑が1反歩(10アール)。野菜は、農協さんや産直あさひ会の直売所「白神街道ふじさと」(以下、産直)に出してる。平成13年(2001年)「産直あさひ会」ができたとき、特栽米(特別栽培米)生産者としてグループで会に入ったの。そのときは特栽米だけ出していた。そのあと、特栽米のグループが解散して個人で入るようになった。

 いつから野菜出すようになったのかは覚えてないなぁ。指定してくれるお客様もいて、茄子系がほんとによく売れるの。その茄子は、いまハウスで苗育てている。接ぎ木だから植えるところは、何年も同じところ。それはどういう意味かって?茄子とか一部の野菜は同じところで毎年栽培を続けてると育ちが悪かったり、枯れてしまったりするの。それを「連作障害」っていうんだけれど、それを防ぐために接ぎ木ということをするの。根っ
こになる土台部分の台木には病害に強い苗、実が付く部分の穂木にはおいしい実がなる苗って感じ。



定植した茄子の接ぎ木苗 台木が緑色、穂木は茄子色


 わたしが茄子を作っている如来瀬の畑は強い風があまり来ないの。南以外の三方が杉林に囲まれて、風が抜けない。だから、この畑はやめられない。夏の間、朝日がなかなか当たらないのも良くって、気温の低いうちに茄子を収穫できるから、鮮度を維持することもできるの。茄子の畝と畝の間隔はすごくとってある。茄子の木って高さが2mにもなるの。私の背丈よりも高くなるし脇もかなり広がってくるのよ。









 


-後編〈畑仕事〉へ続く-

▽旅する藤里「細田 志げ子さん」後編
https://www.town.fujisato.akita.jp/kanko/notices/2524


▽旅する藤里 まとめページへ
https://www.town.fujisato.akita.jp/kanko/notices/2496








聞き手&書き手:小山内歌子(おさない うたこ)

藤里町ツーリズム協議会・ツーリズム地域おこし協力隊員。青森県弘前市生まれ。
イタリアに魅せられ90年代後半に渡伊。2004年から3年前までイタリアにて体験型ツーリズムに関わる。趣味はおいしいものを食べることとワイン。




 



知られざる藤里の旅は、“大切なものは何か”気付かせてくれるはずです。

このコラムは聞き書きの手法で藤里町ツーリズム協議会が制作しお届けしています。

藤里町ツーリズム協議会 電話0185-79-2115


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    登山にスキー、白神山地の散策など
    ほかでは味わえない大自然の遊びがいっぱい!

    楽しい自然体験・観光施設
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    藤里の澄んだ空と水は感動の美しさ。
    露天風呂や地元の料理を楽しめます。

    風情たっぷり町の御宿
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    大量にはない、手ざわり感ある品々。
    豊かな水が生み出す自然の美味しさです。

    白神の恵みがぎっしり特産品